どこにでもある水に含まれる水素からエネルギーを取り出す「核融合発電」は、世界各地の研究者たちが長年追い求めてきた夢の技術だ。世界のエネルギー市場、ひいては経済に大きな影響を及ぼすはずのこの技術の開発に、かなり近いところまで来ていると専門家は言う。
水素燃料を詰め込んだごく小さなカプセルに超強力なレーザーを照射し、超高温で原子核と電子がバラバラに飛び交う「プラズマ」を発生させる。こうして太陽など恒星の中心で起きているのと同じような状態──つまり、核融合を引き起こし、膨大なエネルギーを取り出そうというわけだ。うまくいけば1トン前後の水でサンフランシスコくらいの都市が1年間に消費する電力を生み出せるという。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2013/11/post-3111.php
日本が世界最大の核融合試験に成功、1億5000万℃臨界運転
自然科学研究機構・核融合科学研究所は9日の会見で、世界最大の超伝導核融合炉である大型ヘリカル装置を
使った高温プラズマ生成実験で、プラズマの原子核(イオン)温度が8500万度、電子温度が1億5千万度を
それぞれ記録し、今までの研究記録を更新したと発表した。超高温にプラズマを加熱する運転方法の改善で、
2011年に記録した最高温度8千万度を500万度上回った。マイクロ波の周波数をこれまでの77ギガヘルツから
154ギガヘルツに倍増させ、これまで最高だった1億度を5千万度上回った。
アベノミクス効果による景気回復や「2020年夏季オリンピック」の東京開催決定など、
明るさが見え始めた2013年の年の瀬。今年の漢字に選ばれたのは「輪」。
核融合炉の実現に向け、超電導型核融合実験装置「JT―60SA」の建設が1月28日、
日本原子力研究開発機構の那珂核融合研究所で始まった。2019年の運転開始予定。
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